プロジェクト・クオリディア
底辺を行く高校二年生、久佐丘晴磨。高校一年生にして、校内で学生相手に金貸しを営む美少女、千種夜羽。認識の差で半ば強制的に協力関係に置かれた久佐丘晴磨は、千種夜羽の顧客である行方不明の女生徒を探すことになる。世間で異常気象や異常現象が頻発する中、千種夜羽という人物の異常行動に振り回される久佐丘晴磨と、世界を自分にとって都合よく解釈し続ける千種夜羽は、それぞれの視点で、奇妙な都市伝説、真夜中に丁字路の突き当りに出現するという『ランダム十字路』と、学内に存在する別の闇金融の噂を調査する。その過程で二人の仲は次第に接近し、一つのメールから、何人かの女生徒の行方不明の元凶、ランダム十字路の噂を広め、闇金融を開いていた犯人に辿り着く。しかし、調査過程で姿を消した一人の女生徒の姿がそこにはなかった。そして梅雨明けの日曜、空が燃え落ちた。誰もいない夕映えの中、朱い月の下を歩く彼らの前には一つの十字路があった。彼らは真ん中の道を行き、始まりの場所を訪れる。